就労継続支援B型・グループホームの変更届は10日以内です

皆さん、こんにちは。行政書士くまのみ法務事務所の松永浩行です。

サービス管理責任者が交代した。管理者が変わった。定員を見直して運営規程を直した。空き部屋を作業スペースに変えた。

このどれかに心当たりがあって、届出を出していないなら、期限はもう過ぎている可能性があります。変更届の期限は、10日以内です。

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変更届の期限は「10日以内」――思っているより短い

根拠は障害者総合支援法第46条第1項です。指定に係る事業所の名称・所在地その他省令で定める事項に変更があったときは、10日以内に届け出なければならない、と定められています。

ここで注意していただきたいのが、廃止・休止との違いです。事業の廃止・休止は「その日の1月前まで」(同条第2項)。変更は事後10日以内、廃止・休止は事前1月前と、期限の向きが逆になっています。この2つを混同したまま「たしか1か月あったはず」と記憶している方が、少なくありません。

10日は、思っているより短い期間です。サビ管の交代なら、後任の経歴書や資格を証する書類を揃える必要があります。月末に交代して、落ち着いてから手をつけよう――と考えていると、その時点で期限を過ぎています。

何が変更届の対象になるのか(B型・グループホーム)

「全部の変更を届け出るのか」というと、そうではありません。届出が必要な事項は、施行規則第34条の23で、サービスの種類ごとに指定されています。

就労継続支援B型・共同生活援助(グループホーム)に共通して対象になるのは、主に次のものです。

  • 事業所の名称、所在地
  • 法人の名称、主たる事務所の所在地、代表者の氏名等
  • 法人の登記事項証明書または条例等
  • 事業所の平面図(各室の用途を明示したもの)及び設備の概要
  • 管理者及びサービス管理責任者の氏名・経歴
  • 運営規程
  • 協力医療機関の名称、診療科名、契約の内容

グループホームはこれに加えて、建物の構造概要、関係機関との連携その他の支援体制の概要も対象です。

一方で、条文を読んで意外に思われるかもしれない点があります。「従業者の勤務の体制及び勤務形態」は、変更届の対象として列挙されていません。 苦情解決措置の概要も同様です。指定申請のときには提出しますが、変更届の対象事項には入っていない。

つまり、職員が一人入れ替わるたびに変更届が要るわけではありません。 対象は管理者とサービス管理責任者です。ここを取り違えて「人事のたびに届出」と身構えている事業所もあれば、逆に「人の話だから同じだろう」と管理者交代を出し忘れている事業所もあります。

見落とされやすいのは、むしろ運営規程・平面図・協力医療機関の3つです。定員や営業日、利用料の定めを変えれば運営規程の変更にあたります。部屋の用途を変えたり間仕切りを入れたりすれば平面図が変わります。提携先の病院が変われば協力医療機関の変更です。どれも「書類の話」に見えないため、現場では変更した認識すら持たれないまま進みます。

出し忘れは、運営指導のときに静かに露見する

私は消防の予防査察を約30年、5,000件ほど担当してきました。審査する側にいて分かったのは、書類の食い違いは、探さなくても向こうから見えてくるということです。

行政の手元には、指定申請のときに提出された書類が残っています。運営指導では、その書類と現況を突き合わせます。提出済みの平面図と、実際に立ち入った部屋の使われ方が違う。 運営規程に書かれた定員と、利用者名簿の人数が合わない。管理者として登録されている名前と、その場にいる管理者が別人。

こうした食い違いは、隠すも何もなく、その場で分かります。そして担当者は「なぜ届出が出ていないのか」を確認することになります。

しかも運営指導は、これから頻度が上がります。令和8年6月の新しい指導指針で、就労継続支援B型・グループホームは「3年に1回以上」の対象として名指しされました(詳しくは就労継続支援B型・グループホームの運営指導が「3年に1回以上」へで解説しています)。順番が回ってこなかった事業所にも、回ってくるようになります。

事業の損得に置き換えると

まず、過度に怖がる必要はないことをお伝えしておきます。総合支援法を確認しましたが、変更届の出し忘れそのものに直接結びつく過料の規定は見当たりません。 「届出を忘れたら罰金」と書かれた解説を目にすることがありますが、条文上そうはなっていません。

ただし、無風でもありません。指定の取消し・効力停止を定めた第50条第1項には、第10号として「この法律……に違反したとき」という規定があります。届出義務違反がここに該当し得る、という立て付けです。直ちに取消というものではありませんが、根拠がないわけでもない、というのが正確なところです。

実務上、まず生じるのは是正のやり取りです。運営指導の場で指摘され、改善報告を求められ、遡って届出を出し直すことになります。管理者とサービス管理責任者の時間が、そこに持っていかれます。本来なら15分で済んだ手続きが、数週間の往復に化けるというのが、いちばん現実的な損失です。

もうひとつ、実害が出やすいのが加算です。加算の算定に係る届出は、変更届とは別の手続きで、締切の考え方も違います。ここを一緒くたにしていると、体制は整えたのに算定できていない、という取りこぼしが起きます。この扱いには自治体差があるところです。

今日できる一歩

指定申請のときの控えを引っ張り出して、現況と突き合わせてみてください。

見るのは4か所です。運営規程、平面図、管理者とサービス管理責任者の氏名、協力医療機関。この4つが今の実態と一致しているか。それだけで、出し忘れの大半は見つかります。

もし食い違いが見つかったら、放置しないことです。期限を過ぎていても、気づいた時点で出すほうが、指摘されてから出すよりはるかに軽く済みます。

ご相談ください

変更届は、様式・添付書類・事前協議の要否に自治体差が大きい手続きです。法律上の届出先は都道府県知事ですが、政令指定都市や中核市では事務が市に移譲されている場合もあり、「隣の県のやり方」がそのまま通るとは限りません。

当事務所では、ご依頼をお受けした際に所轄の指定権者へ直接確認を取り、その自治体の運用に合わせて書類を整えています。「所轄に聞いてください」で終わらせるつもりはありません。

変更届のスポット対応も、日頃の届出漏れを防ぐ顧問契約も、どちらも承っています。まずは無料相談で、お手元の指定申請の控えと現況が合っているか、一度見せてください。障害福祉サービスの支援内容はこちらにまとめています。広島・山口を拠点に、オンライン顧問で全国の事業者に対応しています。


※本記事は2026年7月時点の法令に基づいています。引用した条文は障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第46条・第50条、および同法施行規則第34条の23ほかです。届出の様式・添付書類・提出先の運用には自治体ごとに差がありますので、詳細は所轄の指定権者にご確認いただくか、当事務所までご相談ください。

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