補助金コンサルへの報酬、名目を変えても行政書士法の対象に

皆さん、こんにちは。行政書士くまのみ法務事務所の松永浩行です。

補助金の申請書類、外部の「コンサル」に作成してもらい、成功報酬や会費という名目で支払っていませんか。その支払い方、行政書士法の規制対象になっています。

目次

補助金の申請代行を頼んでいる事業者の話です

ものづくり補助金、事業再構築補助金、小規模事業者持続化補助金。設備投資や販路開拓のために、こうした補助金の活用を考える中小事業者は多くいらっしゃいます。

そして、申請書類の作成そのものを、コンサル会社や「補助金アドバイザー」を名乗る外部業者に、まるごと任せているケースも少なくありません。契約の形は「顧問料」「会費」「成功報酬20%」など様々です。

この記事は、そうした形で補助金の申請代行を依頼している、あるいはこれから依頼しようとしている事業者様に向けたものです。

名目を問わず「報酬」とみなされることが明確になった

行政書士法には、報酬を得て官公署に提出する書類(権利義務又は事実証明に関する書類を含みます)を、業として代わりに作成することは、行政書士でなければできないという定めがあります。補助金の申請書類も、この対象に含まれ得ます。

2026年1月1日に施行された改正行政書士法では、この「報酬を得て」の部分に「いかなる名目によるかを問わず」という文言が加えられました。コンサル料、会費、成功報酬、商品代金への上乗せ。名目をどう変えても、書類作成の対価として受け取っているなら、それは報酬にあたる、という趣旨が明確にされたのです。

あわせて、行為をした個人だけでなく、その人が所属する法人にも罰則が及ぶ「両罰規定」が整備されました。個人事業のコンサルタントだけでなく、組織立って補助金申請支援を行う会社にも、責任が及ぶ体制になっています。

ここで正確に申し上げておきたいのは、「2026年1月から急に違法になった」わけではない、という点です。報酬を得て書類作成を代行すること自体は、以前から行政書士法違反でした。今回の改正は、コロナ禍で給付金の代理申請が「コンサル料」の名目で広く行われた経緯を踏まえ、グレーだと思われていたものが、そうではないと明確化され、法人にも罰則が及ぶようになった、というのが正しい理解です。

どこまでが「独占」で、どこからが適法なのか

行政書士でなくてもできることも、当然あります。ここを混同すると、記事の意味がなくなりますので、はっきり線を引いておきます。

  • 独占にあたるもの:申請書類そのものを、依頼者に代わって作成し、提出する行為。提出先が国や自治体でなく、商工会議所や中央会といった民間の事務局であっても、対象になり得ます。
  • 独占にあたらないもの:申請の進め方についての助言、事業計画のブラッシュアップの相談、書類の添削。そして、事業者自身が作成し、自身の名前で提出する「本人申請」です。

つまり、「一緒に事業計画を練ってもらう」「書いたものを見てもらう」ところまでは適法です。境界線は、最終的な書類を「誰が作ったか」「誰の名前と判断で提出したか」にあります。

行政の側からすると、この境界は昔からはっきりしていた

私は消防の予防査察に約30年、5,000件以上携わってきました。行政の側で書類を審査する立場に長くいた者として申し上げると、「誰が作成した書類か」という点は、審査する側にとって常に重要な関心事です。

補助金の審査でも同じことが起きます。申請者本人の言葉と数字で書かれた計画と、量産型のテンプレートに数字だけ差し替えたような計画とは、審査する側には見分けがつくものです。そして、書類作成を丸ごと外部に委ねている場合、そのコンサルが行政書士法に照らして適法な立場にあるかどうかは、依頼者側からは意外と見えにくいところでもあります。

事業者にとっての損得

ここからが、事業者様にとって一番大事なところです。

もし今のコンサルが、行政書士の資格を持たずに書類作成そのものを代行しているとしたら、次のようなリスクが事業者側にも及びます。

  • 申請の途中で頼れなくなるリスク:両罰規定の整備で、法人としての摘発リスクが上がりました。申請の途中でコンサルが事業を継続できなくなれば、間に合わせで自分たちだけで仕上げることになりかねません。
  • 書類の信頼性への疑義:作成の経緯が問われたとき、「誰が作ったか分からない書類」という扱いになりかねません。
  • 乗り換えのタイミングを逃す:施行から半年以上が経ちました。「コンサル料だから」という説明で済んでいた時期は終わっています。今のうちに契約内容を確認しておくことは、次の公募回に向けた備えになります。

反対に、行政書士に依頼すれば、この独占業務を適法に、責任を持って代行できます。「誰に頼めばいいのか」という答えは、ここにあります。

今日できる確認

今のコンサルとの契約書や提案書を、もう一度見てください。「書類の作成」「提出の代行」という言葉が、業務内容として明記されているかどうか。それだけでも、今の依頼の形が「助言」なのか「代行」なのかの手がかりになります。

補助金の申請、当事務所にもご相談ください

補助金は、取れるかどうかの前に、その投資をやる理由があるかどうかが先だと、当事務所では考えています。そのうえで、申請書類の作成が必要な場面では、行政書士として適法に代行いたします。

当事務所では無料相談を承っています。今の依頼の形に不安がある場合も、まずはお気軽にご相談ください。障害福祉サービス(就労継続支援B型・グループホーム)の設備投資に使える補助金のご相談も多くいただいています。補助金申請サポートのご案内はこちらをあわせてご覧ください。

障害福祉サービス事業者様向けのサポート内容はこちら

顧問契約だけでなく、補助金申請のスポットでのご依頼も承っています。広島・山口を拠点に、オンラインで全国対応しています。

※本記事は行政書士法の一部を改正する法律(令和7年法律第65号、2026年1月1日施行)にもとづき、2026年7月時点の情報で作成しています。個別の契約・業務内容が独占業務に該当するかどうかの判断は、契約の実態に即して行う必要があり、詳細は当事務所または日本行政書士会連合会にご確認ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次